2017年4月23日日曜日

6期生石原安野さん猿橋賞受賞

6期生の石原安野(あや)さんが、女性科学者に贈られる「猿橋賞」を受賞しました

朝日新聞の「ひと」欄によれば、中学時代に天体の運行が数式で表されることに驚き、科学者を目指したとのことです。(自由の森学園中学校で当時物理を教えていたのは伊藤賢典さんでした。)

(以下、時事通信を引用します)

千葉大学グローバル・プロミネント研究基幹(ハドロン宇宙科学)の石原 安野(いしはら あや)准教授が、「猿橋賞」の第37回受賞者に選ばれました。


石原安野准教授(受賞会見にて)

石原准教授の専門である「ニュートリノ天文学」は、透過力が強い粒子ニュートリノの観測によって、光の届かない宇宙の実態に迫る比較的新しい学問です。同氏は国際共同ニュートリノ観測装置アイスキューブ(IceCube)実験の業績が評価され、今回の受賞につながりました。

アイスキューブ検出器は、南極点の1立方キロメートルの深氷河を利用し、宇宙ニュートリノを観測する装置。アイスキューブ実験は世界12カ国の約300人の研究者から構成され、石原准教授は2004年の建設開始時から参加、アイスキューブ実験チーム内にて2010年から超高エネルギーニュートリノ物理ワーキンググループのリーダーを、2012年からは拡散宇宙ニュートリノ物理ワーキンググループのリーダーを務め、宇宙ニュートリノ存在量測定における一連の進展を主導してきました。

IceCubeプロジェクト観測所


石原准教授は、2012年に世界で初めて高エネルギー宇宙ニュートリノ事象を同定することに成功。これは1987年にカミオカンデ実験が捉えたニュートリノ信号以来捉えることができていなかった太陽系外からの宇宙ニュートリノであり、この発見によりニュートリノ天文学の可能性がそれまでの一億倍以上の高いエネルギー領域にも広がることとなりました。また、より高いエネルギーを持つ宇宙ニュートリノ探索を精力的に推進し、2016年には超高エネルギー宇宙線起源として長年有力視されてきた仮説を覆す結果を得ています。

現在はアイスキューブ実験の次期計画であるアイスキューブジェンツー(IceCube-Gen2)実験に向けた新型検出器開発の日本における責任者として従来の検出器の約3倍の検出性能を持つ光検出器製作の指揮にあたっています。

同賞は、1980年に猿橋勝子博士(地球化学研究協会専務理事・元日本学術会議会員)により創設された一般社団法人「女性科学者に明るい未来をの会」が主催し、「女性科学者がおかれている状況の暗さの中に、一条の光を投じ、いくらかでも彼女らを励まし、自然科学発展に貢献できるように支援すること」を趣旨として、毎年1名、自然科学の分野で顕著な研究業績を収めた女性科学者に贈られています。

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